BIツール

【理想】全社で使うならBIツールは組み合わせて使うことが良い理由

Ryosuke Ishii

BIツールの導入に悩んでいる方、また自社のBIツールを本当に活用しきれているのか疑問に思っている方。そのお悩み、よくわかります。

2023年の日本にBIツール市場は日本製・外国製の製品が並び、しかも”BIツール”という単語をはみ出るツールが多くなってきました。

単純に比較をすることが難しくなってきたのですね。

そのため、BIツールをこれから探す人は何がなんだかわからないという状態になってしまいます。

そこで今回は「このBIツールがオススメ」ではなくて、理想的なデータ分析基盤ってなんだろうという点を紹介したいと思います。

筆者である私はITベンダーでBIツールを導入するシステムエンジニアやBIツールメーカーでセールスエンジニア・カスタマーサクセスを経験して、現在はデータ分析専門の企業を経営しています。
大規模ユーザーではなく従業員1,000人以下の企業でのBIツール導入を多く経験しています。

ではさっそく見ていきましょう。

BIツールを分析型とダッシュボード型にわけて考える

まずは前提としてBIツールは分析型とダッシュボード型の2つに分かれることをイメージしましょう。
細かくするともっともっと分かれますが、まずはこの2つの違いがわかればOKです。

わかりやすく分析型とダッシュボード型と名をつけましたが、この呼ばれ方は他であまりされていないかもしれません。

分析型BIツールとは

主な目的を「作業者1名があらゆる角度でデータを分析し、知見を得る」としているものです。セルフサービスBIという名称もついています。

手軽で直感操作がしやすいですが、周りのメンバーと情報を共有が苦手であったりデータ元の信頼の担保が難しいというデメリットもあります。

分析をする人は現場の人がメインとなりますのでITリテラシーが高かったり、業務やデータの意味に詳しい人であれば柔軟に使いこなせると思います。

ダッシュボード型BIツールとは

主な目的を「全体に共有してある決まったタイミングでデータを確認する」としているものです。定点観測・ダッシュボード・レポート型などと呼ばれています。

たとえば月に一度、売上の報告をするときは「今月の売上」「前月比」「商品別売上」「曜日別売上」など、前月と同じ形式で報告しないと状況がわかりにくいですよね。

ダッシュボード型は誰かがダッシュボードをつくり、他の人は閲覧するのみとなります。ひとりひとりが細かい分析をすることはありませんが、全体でダッシュボードを共有するので、ITリテラシーが低くても同様の知見を得ることが可能です。

表にしてみるとこのような感じです。

種別メリットデメリット
分析型個人であらゆる確度からデータが分析できるそれぞれがそれぞれのデータを参照するとデータの統一性がなくなる
ダッシュボード型全員が同じダッシュボードを見るのでデータの統一性がある
閲覧者はIT情報リテラシーが低くても良い
データの分析軸が固定されるため、さらに深い分析が難しい
分析型とダッシュボード型のメリット・デメリット

以上のことから、どちらのメリット・デメリットがあるので各BIツールの特性を把握する必要があります。

自社(あるいは自部門)は分析型・ダッシュボード型のどちらが向いているかを考える

自社のBIツールを使用するメンバーは分析型・ダッシュボード型のどちらでしょう?

どちらもいらっしゃるとは思いますが、ぼくの経験上ではダッシュボード型で利用される方が多かったです。

ただし、BIツールが自社に広まってくると、その需要は変わる可能性があります。

まずはどちらかに特化したBIツールを導入し、需要の変化が来たらもう一方のツールを導入しても良いと思います。BIツールはひとつである必要はありません。

それぞれのデメリットを払拭するために、データ元は共通にすると良いでしょう。

上の図はツールの一例ですが、分析型BIツールであるTableauでDWHであるDr.Sumを参照し、どのような指標でデータを分析するべきかという軸をつくり、ダッシュボード型BIツールであるMotionBoardでTableauと同じくDr.Sumのデータを参照し、定点観測ボードをつくるというモデルです。

ITリテラシーの高い人はTableauをつかい、統制の効いたDr.Sumのデータを参照するとよいでしょう。データ分析が本業ではない方々は定点観測してレポートを作成するために、定期的にMotionBoardを参照します。

重要なポイントは複数のBIツールを導入する場合のデータ元は統一するべきという点です。可能ならばデータの管理は情報システム部門が行いデータガバナンスをおこなうと良いです。

初回導入のときにこの形は難しいかもしれませんが、BIツールが浸透していく未来には上記の形を目指しても良いのではないかと思います。

ABOUT ME
石井 亮介
石井 亮介
データパレード 代表取締役
㈱データパレードの代表取締役で高田馬場の町中華のChief Data Officerをしています。 BIツールのセールスエンジニア・システムエンジニア・カスタマーサクセス歴10年以上経験、データエンジニア領域とコンサルティングが得意です。BIツール研究所・DMS Cubeなどデータ系コミュニティーのアンバサダーをしています
記事URLをコピーしました