【わかりやすい】現場導入の壁となるBIツールのサイロ化問題の解説
サイロとはなんだろうか
サイロってわかりますか?
ぼくは最初に聞いたときはなんのことかわかりませんでした。
いらすとやさんから画像を拝借すると
このような塔がサイロのイメージです。草などを貯蔵しておくための倉庫ですね。
このサイロという縁遠そうなものがBIツールの抱える課題をイメージしているのです。
BIツールを部門導入するとサイロ化問題に発展しがち
BIツールにおけるサイロ化問題は、異なる部門やチームが別々のBIツールを使ってデータを扱い、情報を共有せずに運用することで起こります。みんながバラバラなデータソースを使ってしまうと、「このデータってホントに正しいの?」って思ってしまうのですね。
ありがちな例が、営業チームがExcelを使ってデータを管理し、マーケティングチームが別のツールでデータを分析し、経営陣がさらに別のツールでダッシュボードを作成するようなパターンです。データ分析用のBIツールとダッシュボード用のBIツールはそれぞれの得意分野が異なるので、個々の部門で入れている例がよく見受けられます。この場合、各チームは別々のデータソースを使用しているため、データの統一性について一抹の不安を与えてしまいます。データというものは不思議で、ひとつ疑ってしまうと、なかなか「これで安心」というレベルにならないのですね。
サイロ化問題の解決法はデータウェアハウス(DWH)などを導入し、どのBIツールでもデータを参照する場合は共通のDWHから見るようにすることです。
DWH : BI = 1 : N の世界
図は具体的なBIツール・DWHツールの名称を書いていますが、相応する別のツールでも問題ございません。
重要な点は以下のポイントに注意して、DWHツールを構築することにあります。
- データの一貫性と統合
組織全体で同じデータモデルや用語を使用し、データの一貫性を確保する必要。 - 情報の共有とコラボレーション
チーム間で情報を共有し、意見を交換することで、全体最適化や迅速な意思決定が可能ため、共有用のダッシュボード系BIツールは閲覧できるユーザー数を多めにする。 - データガバナンスとセキュリティ
データの品質管理やアクセス権の統一的な管理を行い、セキュリティのリスクを最小限に抑える。
こちらを実現するためには専任のデータ管理者を擁立するくらいのボリュームがございます。
さいごに
すごく簡単に書きましたが、BIツールを扱う目的の異なる他部門との情報の共有をするためには、データの置き場を統一することが重要と考えます。
またデータ管理者を擁立し、ガバナンスとセキュリティを常に意識する必要があります。
現場で導入するセルフサービスBIツールは扱いやすく初期導入はとても楽なのですが、もしその後、他部門との情報共有の世界が出てきたら、データの置き場所について、議論が必要になると思います。
ぜひ初期導入時の予算や導入期日を考えると、現実的には難しい場合がありますので、まずは初期導入時に意識の片隅に置いてみてください。