見せる相手を意識する

〜伝えるだけじゃなく、“伝わる”ようにする〜
数字を出して、ファイルにまとめて、共有フォルダにアップする。
毎月のレポート業務は、慣れればある意味“ルーティン”になります。
でも、そのレポート──
見た人に、ちゃんと届いていますか?
“伝える”と“伝わる”は、まったく違う

よくあるのが、こんなすれ違い。
「見ればわかると思ったんだけど…」
「どこに注目すればいいのか、説明がなくて困った」
「で、これはいいの?悪いの?」
数字を“出すこと”に意識がいきすぎると、
受け取る側の立場や理解のレベルが抜け落ちてしまうことがあります。
報告はした。伝えたつもりだった。
でも、“伝わってない”状態になってる。
このギャップを埋めるのが、
「見せる相手を意識する」という視点です。
相手の立場を想像するクセをつける

店長?エリアマネージャー?本部の人?
その人たちがこの数字を見る時、
「何を判断したいと思っているか」を少しだけ想像してみてください。
- この数字の増減を見て、次の行動を考えている
- 変化の背景を、短時間でつかみたい
- 他の人と比較して、優先順位を決めたい
レポートは、“次の動き”を決めるための道具です。
だからこそ、受け取る人の立場を意識することで、
数字の伝わり方も、受け取る印象も変わってくるんです。
一言コメントや強調だけでも、“伝わりやすさ”は大きく変わる

たとえば、こんなふうに数字を補足してみるだけで──
「今月は天候の影響で平日客数がやや減少」
「3週目の数値はキャンペーン施策の反映」
「前月比の落ち込みは、前年とのズレによるもの」
ほんの一言あるだけで、見る側はグッと理解しやすくなります。
また、伝えたい部分に色をつけたり、太字にするだけでも違います。
「ここを見てほしい」という意思が伝わるだけで、
数字の意味は伝わりやすくなるんです。
伝え方の工夫は、“信頼”になる

実はこうしたひと手間が、
単なる「報告の作業」を、“人との関係づくり”に変えてくれます。
- 「この人、ちゃんと気を配ってレポートしてくれてるな」
- 「前もって補足してくれてありがたい」
- 「判断しやすくて助かる。次回もこの調子でお願いしたい」
こうして、“数字のやりとり”を通して、
相手との信頼関係が少しずつ積み上がっていく。
つまり、レポーティング業務は、
ただの業務連絡ではなく、あなたの誠実さや配慮が伝わる“メッセージ”なんです。
まとめ
数字は、出すだけでは意味がありません。
“伝わるように見せる”ことで、その価値が生まれます。
そして、伝わるレポートは、信頼の積み重ねになります。
「ちゃんと見てくれてる」「伝えようとしてくれてる」
そんな気持ちが、相手に届くんです。
伝えるだけじゃなく、“伝わる”ように。
それが、数字を扱う仕事にできる、最後のひと工夫です。