MotionBoard

MotionBoardは集計表を極めている

Ryosuke Ishii

みなさんの企業では集計表(ピボットテーブル)を使いますか?

たとえばExcelで経営指標を共有している場合、グラフじゃなくて数字がたくさん載ってたら集計表を活用しているのかなと思います。

私は10数年、データ分析の現場にいますが、日本人のほとんどは集計表や数字を大事にしていると思います。またそれを表現するExcelが大変優秀で、印刷範囲に合わせるためにかなり加工をした集計表を日常の中で”あたりまえに”使用しています。

BIツールは多々あれど、日本固有の集計表の再現を得意としているBIツールはそうはありません。今回は集計表に大変強いMotionBoardの集計表機能について紹介をしたいと思います。

集計表(ピボットテーブル)とは

集計表とひとくちに言っても、みなさんの認識しているイメージはバラバラです。まずはここで整理をしたいと思います。

すっごいシンプルな集計表は、行・列・集計項目にそれぞれの項目を配置することで実現します。

画像な一番シンプルな集計表です。月ごとに店舗別に金額と数量を並べています。

累計を入れてみました。Excelだと簡単にできますが、こういった動作もBIツールだと一苦労。

予算を入れてみました。売上金額とは異なる別のデータソースを参照しています。もうこうなった時点で再現できるBIツールは限られます。

みなさんも思い返していただきたいのですが、日常で使っているExcel帳票はこれの何倍も何倍も複雑だと思います。一度作ってみんなで見ているものが時間をかけて徐々にカスタマイズを加えて、素晴らしい作品となっているものも多々あります。

日本企業が”あたりまえ”として使っているExcel集計表は長い年月をかけて、少しずつ複雑なつくりになっているのです。

複雑な集計表は誰が求めるのか

こういったExcel帳票をつくられている担当者にお伺いしたことが何度もあります。ひとつのExcelブックに10個くらい表を入れていて、「さすがにこれは誰も見てないだろう」としれっと削除すると、意外とお偉い方が見ていて問題になったり、表現をもっと緩和しようとしたら、「前と同じ見え方じゃないとイヤだ」と言われたり。

誰に何を言われるかわからないので、現行踏襲をし続けるといった感じでした。そして自動化・システム化の流れとなり、BIツールに「この帳票の再現を」となるわけですね。

一番良いのは業務を変革するDXを巻き起こし、既存の帳票を洗い直すことなのですが、現場のハレーションを考えると難しい状況だと思います。

日本と海外の比較

海外のBIツールは集計表(ピボットテーブル)に強くありません。日本に上陸したての製品は集計表がないというケースもザラにありました。

海外の経営層はグラフから大局を見る文化なので、グラフが充実しているという話をよく聞きます。日本は江戸から商慣習があるので、得意先それぞれに個別の業務を適用させてしまうため、全体の数字を追う前に現場の細かな数字を見るのだとか。日本と海外の文化の違いですね。

MotionBoardの集計表はどんなことができるのか

そのような文化の違いがあるので、海外製のBIツールと日本製のBIツールでは目指すべき方向性が変わるわけですね。日本製のBIツールの方が集計表に強くなるわけです。

とりわけMotionBoardは開発元のウイングアーク1st株式会社が20年前からBIツールを製造しており、集計表に特化したソリューションを長年開発しています。その思想をダッシュボードツールのMotionBoardに伝えているので、MotionBoardの集計表はこだわった作りができるのです。

ではMotionBoardの集計表についての強いポイントを解説していきましょう。

あたかもひとつの集計表のように統合する

異なるテーブルのデータを統合

予算と金額はそれぞれ異なるデータソースです。実際に予算は予算管理ツールに入っていて、売上金額は販売管理システムに入っていることがありますよね。予算と売上金額が同一のテーブルに入れるためにはデータ加工が必要です。

MotionBoardは異なるデータソースのデータを同一の集計をさせてから、結合をさせることが可能です。

こちらは案件データ.csvです。売上金額が入っています。[誰が売った]かがわかる担当者の氏名も入っています。

予算はExcelで管理しています。予算金額の他に氏名も含まれています。

余談ですがMotionBoardは複雑な形のExcelも読み込むことができます。詳細はこちらをご覧ください。

あわせて読みたい
複雑な加工のExcelも読み込める、MotionBoardの[Excel読み込み機能]を解説
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この異なるデータを[氏名]で集計して、数字と合わせて表示をすることができるのですね。もちろんそのあとに四則演算もできますので、予算比のような項目をつくることも可能です。

単月累計表示ができる

Excel帳票によくある形で、単月と累計を表示するパターンがあります。画像は2024年の累計と2024年1月の単月の金額を表示しているものです。

このような表現をMotionBoardでは実現できます。先ほどは異なるデータソースを呼び出して結合していましたが、今回はその応用です。

まずは同じテーブルを2回呼び出します。

MotionBoardは呼び出したテーブルに対し、それぞれに抽出条件をセットすることができます。2つのデータに”年”を、1つのデータには”月”に絞り込みを入れています。画像では”2024″や”01″と指定していますが、変数を使用して、当月や当年とすることも可能です。

呼び出したそれぞれの金額を集計項目に配置して、名前を変えてあげればOKです。

行列項目の特定の項目で四則演算

オレンジの編みかけにしている[実績+A+B+C]という項目はデータには存在していません。上の項目をそれぞれ足し算した合計を表示しています。

つまり集計表の中に任意の項目をつくり、そこに自由に計算をさせるということができるのです。

補完リストの中で[実績+A+B+C]という架空の項目をつくり、

[実績+A+B+C]はそれぞれの項目を足し算するように指令を出しています。これで集計後の帳票内に特定の項目をつくることができます。

Excelへのレポート出力が得意

MotionBoardの中で集計表を作らずとも、Excelに出力することもできます。詳細は下記の記事に書いていますが、Excelにデータを埋め込めるのでExcelのセル参照や計算、マクロなども使用することが可能です。

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MotionBoardのExcelレポート出力機能を編集画面から紹介する
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どうしてもExcel帳票を使い続けたいという場合は、この機能を使うといいでしょう。

最後の手段であたかもレポート

こだわりを持ってつくればこういった集計表もつくることができます。段組み構成だったり画像を載せたり・・・ですがここまでの集計表はオススメをしません。ここまで作り込んでしまうとメンテナンスにコストがかかってしまいます。

ここまで来ると集計表ではなく帳票に近いですね。仮にここまでのものを作る場合でも現行踏襲ではなくMotionBoardで作成しやすいように調整してもらいたいと思います。

さいごに

ご覧になっていただいたようにMotionBoardは多彩な機能を組み合わせることにより、難易度の高い集計表を作成することが可能です。

しかし既存の集計表を完璧に再現することが良しではありません。帳票要件を整理することはまず必須となります。その中でMotionBoardで組みやすい形の集計表に落ち着かせることができればみんなが笑顔になる業務改善ができると思います。

りょうさん
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ABOUT ME
石井 亮介(りょうさん)
石井 亮介(りょうさん)
データパレード 代表取締役
㈱データパレードの代表取締役で高田馬場の町中華のChief Data Officerをしています。 BIツールのセールスエンジニア・システムエンジニア・カスタマーサクセス歴10年以上経験、データエンジニア領域とコンサルティングが得意です。BIツール研究所・DMS Cubeなどデータ系コミュニティーのアンバサダーをしています
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