案件・人・会社の3つの名簿を、1つの台帳につなぐ
案件の一覧だけを持っていたときは、まだ使いものになりませんでした。人の名簿と会社の名簿を足して、3つがつながって、はじめて「開くだけ」で済むようになりました。
プロジェクト台帳の作り方ノート③です。台帳への積み方と、3つの名簿の作り方を書きます。
先に、動いているところをご覧ください。
この機能で何がよくなったか
相手のことも、相手の会社のことも、覚えておかなくてよくなりました。
打ち合わせの前に「この人はどういう進め方をする人だったか」「この会社は最近どう動いていたか」を思い出す必要がありません。案件のページに載っています。
案件ページへの積み方
何が自動で積まれるか


案件のページには、上から順にこれが積まれます。
- 🧭 PM総括 — 相手の進め方を踏まえた「次の一手」
- 🎯 いまの状況 — 1〜2文の要約と、論点・気にしている点
- 🕒 直近の動き — 日付つきで数行
- 📅 スケジュール・マイルストーン — 明示された期日だけ。憶測の日付は書かない
- 📌 注目の課題 — 未完了の宿題を期限順に
- 📨 最近のやりとり — 生に近い形のフィード
- 👤 メンバー別サマリ — 誰が何を言っているか
- 🤖 Claudeとの作業ログ — 自分がAIと手を動かした分
- 📜 これまでの経緯 — 日付ごとの履歴
上から読めば掴めるように、この順番は固定しています。
順番を固定した理由
最初は逆でした。ページの一番上に「最近のやりとり」の生ログがあって、読みやすい要約は下に埋もれていました。
開いた瞬間に状況が掴めません。それでは開く意味がありません。
いまは、本文を組み直すときに自動で作った見出しを一度全部取り払ってから、決めた順に積み直しています。 位置を指定して差し込む方式だと、順番がだんだん崩れていきます。毎回積み直すほうが安定しました。
手で書いたところは、潰しません
案件によっては、自分で書き込んだ構成表や方針があります。そこは自動生成で消してはいけません。
判定はシンプルで、自動で作る見出し以外の見出しがページにあれば、そのページは手書きありとみなします。 その場合は要約を自動生成せず、「最近のやりとり」だけを末尾に足します。
ここで1回やらかしました。昔のバージョンが作った古い自動見出しが残っていて、それを「手書き」と誤認していたのです。結果、その案件だけ要約が更新されないまま何日も経っていました。古い残骸を一度掃除して直しました。
AIとの作業も、案件に振り分けます

これが入って、台帳の性格が変わりました。
AIと一緒に手を動かした作業の記録を、どの案件のものかを判定して、案件ごとに要約して、経緯に追記しています。
会議とチャットだけだと「他人とのやりとり」しか残りません。自分が手を動かした分が抜けます。それを入れると、翌日には「昨日その案件で起きたこと」が全部そろいます。
1つの作業が複数の案件にまたがることがあるので、案件ごとに分けて要約します。ここは最初、まとめて1つの要約にしていて、関係ない案件の話が混ざりました。案件ごとに切り分けるように直しています。
人の名簿
呼び方の揺れを、1人に寄せます

同じ人が、場所によって違う呼ばれ方をします。名字だけ、フルネーム、敬称あり、敬称なし。会議の聞き取りだと、そもそも間違った名前で書かれます。
名簿には、その人の別名を全部持たせています。 所属している会社ともつないであります。
ここが効くのは、間違った名前を登録したときです。聞き間違えた名前を、正しい人の別名として登録しておきます。 そうすると、材料の正規化にも、過去に書かれた本文の訂正にも、両方に自動で効きます。登録が運用の要になりました。
登録は、自分でしません
その要になる登録を、自分ではしていません。
名簿に無い名前が出てきたら、回数を数えています。別々の会議で2回出たら「この人を名簿に登録していいですか」とチャットで聞いてきます。答えるだけで済みます。
1回きりの人は聞いてきません。 一度だけ同席しただけの人まで全部聞かれると、通知が読まれなくなります。ここでも「何を出さないか」で決めています。
打ち合わせの出席者としてはっきりしている人は、聞かずにその場で登録します。判断が要るのは、記録の中に名前だけが出てきた人のほうでした。
性格を、7日ごとに作り直します
名簿には、その人の進め方と得意分野も持たせています。
作り方は、7つの情報源(会議の記録・チャット4種・メール・議事録)からその人の発言を集めて、既存の内容に新しい観察を足す形で書き直します。 毎回ゼロから作ると、前に書いたことが消えて揺れます。足す形にしています。
頻度は7日ごと。文量は300〜500字です。
恒常的な気質だけを書きます

ここが、この機能でいちばん時間をかけて決めたところです。何を書かないかを先に決めました。
書かないもの。
- 忙しさや体調による疲れ、疲弊
- 一時的な感情の揺れ
- その日うまくいかなかったこと
繰り返し観測されても、「疲れやすい性格」のような人物評には固定しません。ネガティブな出来事を、その人の欠点として積み上げません。困難な状況でも、その人がどう振る舞うかを書きます。
決めつけの表現(内気、物静か、元来◯◯な性格)ではなく、観察できる行動と仕事の進め方で書きます。
なぜ、その線を引いたか
実際に事故ったからです。
線を引く前は、その人が忙しかった時期の記述が積み重なって、人物像がネガティブに寄っていきました。しかもその調子が、案件のまとめのほうにまで移りました。 案件の総括に、特定の人への否定的な評価が帰属する形で出てきたのです。
人の記録は、放っておくと評価になります。しかも自動なので、誰も止めません。
何を書かないかを先に決めておかないと、静かに人物評が育ちます。
会社の名簿
取引先ごとに1ページ持ちます

会社の名簿には、関係性・概要・公式サイト・お知らせのページ・最新の動き・最後に確認した日を持たせています。
案件から会社へつないであるので、1つの会社に複数の案件がぶら下がります。
公表された動きを、自動で拾います

取り方は3段構えになりました。
1段目。お知らせのページを自動で探す。 公式サイトのトップから、お知らせ・ニュース・プレス系のリンクを点数を付けて選びます。ただし選んだ候補は必ず検証してから登録します。 これをやらなかったとき、ページの隅にある無関係なリンクを「お知らせページ」として登録しました。
2段目。本文から日付と見出しだけを抜く。 ページをテキストにして、軽いモデルに「日付 タイトル」の形で出してもらいます。前置きの文が混ざるので、日付から始まる行だけを採用するフィルタを入れています。
3段目。読めないサイトは、検索の配信で補う。 表示の作りで本文が取れないサイトや、そもそも取得を拒否されるサイトがあります。これは検索側の配信で拾います。
ここで、別の会社のニュースが混ざりました
3段目で失敗しました。
検索に投げる社名が、途中で切れた状態で使われていたのです。「◯◯◯株式会社」のうち後半だけが残って、まったく別の会社のニュースを取り込んでいました。
直したのは、正式な社名を完全一致で引くことです。概要文の先頭から、空白も含めて正式名を取り出すようにしました。
似た問題として、同じ名前の別会社が存在する業種があります。これは自動では見分けられないので、確認が要る箇所として残しています。
会社の情報は、週1で足ります
公表情報が1日で変わることは、ほとんどありません。毎日見に行っても、同じものを読み直すだけになります。
7日間隔にしています。この頻度の判断は、情報の性質で決めます。 やりとりは毎日、会社の動きと人物像は週1です。
3つをつなぐと、何が変わるか

案件・人・会社。3つを別々に持って、互いにつないであります。
案件のページを開くと、その案件の状況と、関わっている人の進め方と、相手の会社の動きが同じ画面に載ります。3つがそろうから、中身が欠けなくなります。
そのうえで、次に何を返すべきかまで出ます。誰に、何を、いつまでに。人と会社を覚えているから書けることです。
俯瞰の画面は、別に作らなくて済みました

案件・人・会社・議事録・宿題が同じ台帳にあるので、全体を1枚で見る画面は、並べ替えるだけで作れました。
載せているもの。
- 仕事の流れ — 今月の新規発生/終わる見込み(今月・来月・再来月)/その差し引き。増え気味か減り気味かを1行で出します
- 重要な案件 — 最新の要約つきのカード。⭐が付いたものだけ
- 関与タイプ別の件数 — 手を動かす/レビュー・助言/PM/事務処理
- 重要案件のガント — 開始日から予定終了日まで。⭐が付いた進行中のものだけ
- 議事録カレンダー — いつ何の打ち合わせがあったか
- 未解決の宿題(期限順) — 期限を過ぎたものが上に来ます
- 企業と最新News — 取引先の公表された動き
ここで1つ判断があります。ガントに全案件を出しません。 出すと線が多すぎて読めなくなるので、⭐が付いた進行中のものだけに絞っています。俯瞰の画面ほど、載せないものを決める必要があります。
数字の見せ方でも1回やり直しました。関与タイプ別の件数を「数字を4つ並べる」形にしたら、どの数字が何なのか分からなくなったのです。棒グラフ1つにまとめると、棒ごとに名前が付くので一目で分かります。 数字だけを並べるのはやめました。
出口:更新理由と、翌朝の通知
なぜ更新されたかを、人の言葉で残します
台帳に「更新の理由」を1行持たせています。「議事録2件を反映」「私のコメント1件を反映」「やりとり3件を反映」のような書き方です。
理由が分からない更新は、正しくても信用されません。信用されない台帳は、結局こちらから確かめに行くことになります。信頼性の仕組みに見えて、手間を減らすための仕組みです。
これを入れたとき、副産物として問題が見つかりました。議事録もチャットもコメントも0件なのに更新される案件があったのです。 調べたら、本文の書式を変えたときに全案件が1回だけ作り直される仕様でした。理由を出すようにして初めて気づきました。
出すのは、2つだけ

裏ではかなりの量が動いています。14の入口から集めて、どの案件かを決めて、要約を作り直して、名簿と照らして、全案件のページを組み直す。毎晩やっています。
その作業が動いたこと自体は、知らせません。 判断を必要としないからです。
チャットに出しているのは2つだけです。
- 更新のあった案件の一覧 — どの案件に、打ち合わせが何件、やりとりが何件あって、コメントが反映されたかどうかまで並びます
- 今日の打ち合わせの準備 — 予定ごとに、前回の議事録が付きます
通知は「何を出すか」ではなく「何を出さないか」で決めました。全部知らせる通知は、すぐ読まれなくなります。読まれなくなった通知は、無いのと同じです。
まとめ
- 案件の一覧だけでは足りません。人と会社の名簿を足して、3つをつなぎます
- 積む順番は固定します。毎回積み直すほうが、位置を指定するより安定します
- 人の記録は、何を書かないかを先に決めます。決めないと、静かに人物評が育ちます
- 自動で集めるものは、間違って集まっても静かに見えます。候補は必ず検証します
- 頻度は情報の性質で決めます。毎日のものと、週1でいいもの
- 通知は「何を出さないか」で決めます
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