AIへの依頼は、入口で案件に結ぶ
この記事は、自社の業務アプリ DataParade Core の事例の一部です。全体は 特設ページ にまとめています。
この記事が満たす要求: 「AIも、人と同じ入口を通る」 / 「正本は1つ。向きは一方通行」(特設ページ /00 の一覧)
AIに仕事を頼むとき、その仕事がどの案件のものかを、以前は誰も記録していませんでした。頼んだ内容は会話の中に残り、案件の台帳には残りません。あとから「あの件でAIに何を頼んだか」を探すと、会話を遡ることになります。
いまは、AIへの依頼はすべて台帳を通ります。頼んだ瞬間に案件と結び、案件に無ければ「登録する? 続ける?」と聞かれます。入口をどう作り、AIに何を守らせたかを書きます。

入口にゲートを置きます
AIとの作業には、依頼を受け取る道具があります。その道具に、依頼を受けた瞬間に動く「ゲート」を付けました。ゲートは依頼文をAPIに送り、どの案件の話かを照合します。

照合に使う言葉は、案件ごとに台帳が持っています。案件名、取引先名、実際に使っている呼び方(別名)。案件番号が文に入っていればそれが最優先です。複数の案件にまたがる言葉、たとえば取引先の名前だけでは当てません。当ててしまうと、別の案件に結ばれます。
ゲートは依頼のたびに動きますが、聞き返すのは1つの作業につき1回だけです。定時に自動で動く仕事は聞きません。当たらなければ黙って続けます。
案件に無ければ、聞き返します
依頼がどの案件にも当たらないとき、ゲートは「この依頼は台帳の案件に無い。登録する? 続ける?」と返します。「登録する」と答えれば、その場で案件が台帳にでき、理由も自動で残ります。「続ける」なら、案件と結ばずに進めます。
1つに決められないときは、候補を並べて「どれかに結ぶ?」と聞きます。日本語は3文字の断片で案件名に当てるので、略した呼び方でも候補に上がります。
決めた結果は台帳に記録されます。どの端末の、どの作業が、どの案件と結ばれたか。あとから作業の記録を案件に振り分けるとき、この記録があれば推測しません。
AIも、アプリと同じAPIを通ります
台帳に書く道は2つありました。アプリからの変更と、AIが直接台帳に書く変更です。後者は何でもできる代わりに、何をしたかが残りません。
AIも、アプリと同じAPIを通ることにしました。APIはAI用のトークンを持ち、AIからの変更にはアプリからの変更と同じ検査がかかります。毎晩の取り込みだけは例外で、台帳に直接書きますが、それも動いた記録を必ず残します。
APIには、AIからの依頼かどうかを見分ける仕組みがあります。入口で「AIのトークン」と判定された依頼は、理由の無い変更を断られます。
変更には理由を残します
案件の状態や金額を変えるとき、理由が必須です。理由が無い変更は、APIが受け取りません(試すと400で断られます)。AIからでも人からでも同じです。
理由は案件のページに「最後に変えたこと」として残ります。誰が、いつ、なぜ。台帳の99%はAIが書き換えるので、理由が無いと「なぜこうなっているのか」を誰も説明できなくなります。履歴の画面を主要な画面に格上げしたのは、このためです。
AIの作業も、案件のページに積まれます
AIと作業した記録は、案件のページの「AIとの作業」に積まれます。何を頼み、何をしたか。部署ごとの作業記録も、同じ案件に結ばれます。
記録は自動で書かれますが、人が読める形にしています。「取り込みの監視を直した」「記事の下書きを作った」。件数や所要時間だけを残すと、あとから何をしたのか分かりません。

作業の記録は、働き方の画面にも使われます。AIがこなした件数は、この記録を数えたものです。数えられるのは、最初に数える仕組みを入れていたからです。
端末が2台でも、入口は同じです
AIは、メインのMacと、リモートで使うMacの2台で動いています。ゲートは両方に同じものを入れました。リモートのMacからは台帳に直接つなげないので、経路はAPIだけです。トークンも端末ごとに別で、どちらの端末の作業かは記録で分かります。
設定を別の端末に移すときは、設定の中に埋まっている「別の端末の名前」を全部たどります。1か所残すと、その端末は自分を別の端末だと思って動きます。
読みに行かない、と道具ごと止めます
以前の台帳ツールは、正本を移したあとも「見る場所」として残していました。すると、AIは癖で読みに行きます。読んだ古い記録を材料にして、新しい台帳を書き換えることもありました。
「読まない」と決めるだけでは守れませんでした。読みに行く道具そのものを、入口で止めました。道具の名前を見て、呼び出しを断ります。決めごとは、人の注意ではなく仕組みで守ります。
まとめ
- AIへの依頼は入口のゲートで案件に結ぶ。無ければ「登録する? 続ける?」
- AIもアプリと同じAPIを通り、変更には理由を残す
- AIの作業も案件のページに積まれ、働き方の数字の元になる
- 「読まない」は決めごとではなく、道具を止めて守る
案件の外でAIに頼むことがなくなってから、「あの件で何をしたか」を探す時間が消えました。案件のページを開けば、人の記録もAIの記録も同じ場所にあります。
自社の業務アプリの全体像は 特設ページ に。

