月100本の記事をAIが書いたあとに、残った人の仕事 ― 「チェック役の設計」の、その後
記事の執筆をAIに任せると、消える仕事と残る仕事がはっきり分かれました。消えたのは「書く」「貼る」「リンクを付ける」です。残ったのは、どの元ネタなら任せられるかを見極めること、条件を言葉にすること、人とAIのどちらに向けて書くかを決めることの3つでした。

2か月ほど前、ショート動画を100本自動生成して「人がやるべきチェックの設計」(https://data-parade.com/ai-checker-role/)を書きました。この記事はその続きです。支援先の技術ブログで、AIによる記事の自動生成を月100本を超える規模で回している中で、人の仕事がどこに残ったかを書きます。
何を自動化したか
元ネタは、製品の使い方を解説するライブ配信の動画です。流れはこうなりました。
- 配信のアーカイブが出たら、字幕と書き起こしを取る
- AIが記事の構成を立て、本文を書く
- 記事をデータベースに入れ、過去記事との関連リンクを自動で付ける
- 公開の予約を入れる
人が書いていた頃と比べて、1本あたりの手作業はほぼ無くなり、公開は毎日の定期実行になりました。

残った仕事1:任せられる元ネタを見極める
同じ仕組みで回しても、記事の出来は元ネタの種類で大きく変わりました。
一番うまくいくのは、製品の紹介や操作を見せる動画です。画面で何をどう押したか、どう動いたかが映っていて、動画そのものが正解の見本になります。AIはそれをなぞって書けばよく、品質が安定します。
逆に難しいのは、考え方や抽象論の多い動画です。話の中に「これが正しい手順」という見本がなく、AIが言葉を補う部分が増えます。そのぶん、人の検証が要ります。
どの動画なら自動に任せられるか、どれは人が手を入れるか。この見極めは、今も人がしています。
残った仕事2:条件を言葉にする
もう1つ分かったのは、AIの出来は「何を書くか」ではなく「どういう条件で書くか」で決まる、ということです。
製品名を見出しに入れるのは紛らわしいときだけ、過去記事への関連リンクはどの範囲まで付けるか、公開は1日に何本までか、短い動画は対象にしない。こうした条件は、人が書いていた頃は書き手の頭の中にありました。AIに任せると、全部を言葉にして渡さないと再現しません。
言語化は面倒ですが、いったん書けば次の月もそのまま使えます。AIの導入で一番増えた人の仕事は、この「条件を書く」でした。
残った仕事3:人とAIの、どちらに向けて書くか
記事は人が読むものですが、いまはAIも読みます。検索の結果にAIが要約を出す仕組み(AIO)が広がり、AIが記事を読んで答えを組み立てる場面が増えました。
AIが読むときは、まず概念や抽象的な説明を読み、そのあとで個別の記事を読みにいく、という特性があります。個別の手順記事だけを並べても、AIにはその手前の「そもそも何か」が足りません。
そこで、AIに読んでもらうための記事を別に用意しました。検索の傾向から、よく問われる概念を拾い、その概念を解説する記事を自動で作っています。概念の記事から個別の手順記事へ、関連リンクでつながる形です。
個別の手順記事は主に人のため、概念の記事は主にAIのため。どちらも両方が読みますが、誰を先に想定するかで書き方を変えています。この切り分けも、人が決めています。

まとめ:AIに渡すたびに、人の仕事は一段上に上がる
- 任せられる元ネタを見極める。動画が正解の見本になるものほど、自動化はうまくいく
- 頭の中の条件を、全部言葉にして渡す
- 人が読む記事と、AIが先に読む概念の記事を分けて用意する
前回のショート動画では「チェック役」が残りました。今回は、そのチェックの手前にある「見極め」と「条件」と「書き分け」が残りました。AIに渡すたびに、人の仕事は一段上に上がります。
前作:AIでショート動画を100本自動生成して分かった、人がやるべき「チェック」の設計 👉 https://data-parade.com/ai-checker-role/

