Snowflake

使わなくなった Snowflake を、解約せずに残す判断

Ryosuke Ishii

一番飯店の注文データは、2026年8月に社内のデータベースへ移しました。毎日の取り込みも止め、Snowflake は日々の仕事では使わなくなりました。それでも解約はせず、残すことにしました。その判断と、残すときに気をつけていることを書きます。

解約せずに残す理由と、残すときの決まり
解約せずに残す理由と、残すときの決まり

残しても費用がほとんどかからない

うちの契約は、使った分だけ払う形(オンデマンド)で、最低料金がありません。Snowflake の費用は、大きく分けて計算(ウェアハウスが動いた時間)と保管(データの量)です。

  • 計算:取り込みを止めると、ウェアハウスが動かなくなり、ほぼ0になる
  • 保管:データは1GBに満たない量なので、ごくわずか

ウェアハウスは一番小さい大きさ(X-Small)で、使われなければ自動で止まる設定(AUTO_SUSPEND)にしてあります。

ウェアハウスの一覧。どれも X-Small で、使っていないものは「一時停止済み」
ウェアハウスの一覧。どれも X-Small で、使っていないものは「一時停止済み」

残す理由

理由は3つです。

  • 突き合わせの相手になる:移した先のデータベースで数字がおかしくなったとき、止める前の日付なら Snowflake の数字と比べられる
  • また使うかもしれない:大量のデータを扱う仕事が来たときに、すぐ使える
  • 解約は戻せない:解約するとアカウントもデータも無くなり、設定をやり直すことになる

費用がほとんどかからないなら、残しておく方が得だと考えました。

残すときの決まり

残すと決めたあとは、次のことを決まりにしています。

  • データは止めた時点で凍結:2026年8月11日より後の数字は入っていない。突き合わせに使えるのは、それより前の日付だけ
  • 本番の表は読むだけ:試すときは、試験用の置き場(スキーマ)を作り、その中だけで作る。上書きして作る書き方(CREATE OR REPLACE)は使わない
  • 再開の手順を残しておく:タスクの名前、再開の命令、引用符が要ることなど

もう1つ、まだやっていないことがあります。使用量の上限を決めて、超えたら止める仕組み(リソースモニター)です。今は付けていません。残しておく環境で誰かが試験をすると、そのぶん計算の費用がかかります。上限を付けておくと安心です。

残したことで、できたこと

残しておいたおかげで、この2か月の間に、Snowflake の新しい機能をうちのデータで試せました。

  • セマンティックビューに集計の決まりを書き、AI に日本語で聞く
  • 売上を予測し、画面で答え合わせする
  • AI から触るときの守り方を、3つの道で比べる

本番のデータを止めた環境は、試験の場としてちょうどよい広さでした。本番のデータが増えないので、試した結果が日によって変わりません。

まとめ

  • 使った分だけ払う契約なら、使わない Snowflake の費用はほとんどかからない。解約は戻せないので、残す方が得なことがある
  • 残すなら、止めた日付・読むだけの決まり・再開の手順を書いておく
  • 使用量の上限(リソースモニター)を付けておくと、試験の費用が膨らまない
ABOUT ME
石井 亮介(りょうさん)
石井 亮介(りょうさん)
データパレード 代表取締役
㈱データパレードの代表取締役で、高田馬場の町中華「一番飯店」のChief Data Officerも務めています。BIツールのセールスエンジニア・システムエンジニア・カスタマーサクセス歴15年。大学のデータサイエンス教育で講師も担当してきました。現在は自社業務のほとんどをAIに移管し、AI10部署と50を超える自動処理が24時間動く「AI経営」を実践中。その実践知をこのブログで発信しています。
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