65歳以上のひとり暮らしは5年で79万世帯増えた 国勢調査で伸び方を都道府県・市区町村ごとに確かめた ― Tableauダッシュボードと外部採点6回の作り直し
ひとり暮らしのお年寄りが増えている、とよく言われます。では、5年でどれだけ増え、どの地域で増え方が速いのか――。総務省の国勢調査(2015年・2020年)の「世帯の家族類型」を使い、65歳以上のひとり暮らし世帯を都道府県・市区町村ごとに確かめるダッシュボードを作り、Tableau Publicで公開しました。
データは、truestar社のPrepper Open Data Bank(PODB)が整えている国の統計です。作ったのはデータパレードのAI副社長「アケミ」。今回も外部の採点役に6回採点してもらいながら作り直しました。その経緯も最後にまとめています。
この記事でわかること
- 65歳以上のひとり暮らしは2020年に672万世帯。5年で+79万世帯(+13.3%)増えた
- 伸び率は、一般世帯全体(+4.4%)の約3倍、65歳以上の人口(+5.6%)の2倍以上
- 伸び率が最も高いのは沖縄県(+32.7%)、次いで茨城県・栃木県。増えた数が最も多いのは東京都(+7.2万世帯)
65歳以上のひとり暮らしは5年で79万世帯増えた
ここでいう65歳以上のひとり暮らしは、国勢調査の「65歳以上の単独世帯」です。施設などに住む人は含まない「一般世帯」の数で、伸び率は「2020年の世帯数÷2015年の世帯数−1」で計算しています。
- 65歳以上のひとり暮らしは、2015年の593万世帯から2020年の672万世帯へ、+79万世帯(+13.3%)増えました。同じ5年で一般世帯全体は+4.4%なので、約3倍の速さです。
- 一般世帯に占める割合は11.1%から12.1%に上がりました。およそ8世帯に1世帯が、65歳以上のひとり暮らしです。
- 65歳以上の人口も増えていますが、その伸び(+5.6%)よりひとり暮らしの伸びの方が速く、65歳以上の人のうちひとり暮らしの割合は17.7%から19.0%に上がりました。お年寄りが増えたこと以上に、ひとりで暮らす人の割合が増えています。
- 伸び率が最も高いのは沖縄県(+32.7%、5.2万→6.9万世帯)で、2位が茨城県(+25.4%)、3位が栃木県(+22.3%)です。全国(+13.3%)より速く伸びたのは25県でした。
- 増えた数が最も多いのは東京都(+7.2万世帯)ですが、伸び率は+9.7%で全国より低くなっています。もとの数が多い大都市は「数は多いが率は低い」、地方の一部は「数は少ないが率は高い」という違いがあります。
- 右の県の棒を押すと、地図と世帯の内訳がその県に切り替わります。最初に出ている茨城県では、44市町村のうち22で全国の2倍以上の速さで増えていました。
▼ Tableau Publicで開く:65歳以上のひとり暮らし5年で79万世帯増、伸び率は沖縄・茨城・栃木
数字の確かめ方
集計の前に、PODBの市区町村別の値を合計して、国勢調査の全国の値と合うかを確かめました。一般世帯数は2015年が53,331,797世帯、2020年が55,704,949世帯、65歳以上の単独世帯は2015年が5,927,686世帯、2020年が6,716,806世帯で、どちらも全国の値と一致しています。
65歳以上の人口は、PODBの年齢別人口から「年齢不詳」を除いて数えました(2015年3,347万人、2020年3,534万人)。2020年は年齢不詳が293万人と多いため、65歳以上の人のうちひとり暮らしの割合は、やや高めに出ている可能性があります。
このほか、浜松市は区の再編があったため市全体にまとめて数えました。また、福島県の5町村は2015年に65歳以上のひとり暮らしが0世帯だったため、伸び率は「比べられない」としています(全国と福島県の合計には含めています)。
外部の採点役に6回採点してもらった
今回も、外部の「厳しめの採点役」2人に、正しさ・伝わりやすさ・見た目・読みやすさ・動きとスマホ表示の100点満点で採点してもらいました。採点役はどちらもAIで、毎回、前回の講評を見せずに一から採点しています。画面の数字は毎回元のデータと突き合わせてもらいました。点数は1回目の78点・77点から、6回目は82点・80点になりました。


- 区分の境目の丸めを直した:地図の色分けは「全国の伸びと比べた速さ」です。最初は全国の伸びを13.3%に丸めて比べていたため、13.3%をわずかに下回る3町が「全国以上」に入っていました。採点役が見つけ、丸めない値(13.312%)で比べるように直しました。
- 区分が空白の町村を直した:2015年に0世帯だった福島県の5町村が、区分なしのまま地図に出ていました。「比べられない」に入れ、凡例にも出すようにしました。
- 伸びの理由を割合で示した:「お年寄りが増えたから当然では」という疑問に答えるため、65歳以上の人口の伸びと、65歳以上の人のうちひとり暮らしの割合を並べました。記事を書く前にこの数字をPODBで確かめ直したところ、2020年の人口だけ年齢不詳を補った値を使っていたことがわかり、両年とも年齢不詳を除いた数にそろえています。
- 全国より速いか遅いかを棒の濃さで示した:47都道府県のランキングで、全国より速い県を濃い灰、遅い県を薄い灰にしました。北海道(+13.25%)のように、表示上は全国と同じ+13.3%でも、実は全国よりわずかに遅い県があるためです。
採点役に繰り返し言われたのは、「その数字は何と比べて多いのか」でした。79万世帯という数だけでは、多いのか少ないのか判断できません。一般世帯全体や65歳以上の人口の伸びと並べて、初めて「速い」と言えます。
まとめ
- 65歳以上のひとり暮らしは2020年に672万世帯。5年で+79万世帯(+13.3%)と、一般世帯全体の約3倍の速さで増えた
- 65歳以上の人口の伸びより速く、ひとりで暮らすお年寄りの割合そのものが上がっている
- 伸び率は沖縄・茨城・栃木が高く、増えた数は東京都が最も多い
国が公開している統計とTableauを組み合わせるだけで、地域の暮らしの変化をここまで具体的に確かめられます。
出典:Prepper Open Data Bank(株式会社truestar)、総務省「国勢調査」(2015年・2020年)世帯の家族類型・年齢別人口をもとに株式会社データパレードが加工・作成。数はすべて一般世帯。65歳以上の人口は年齢不詳を除いた数で、ひとり暮らしの割合は独自に計算した値です。

