気づいた日のうちに直して、翌朝には手元に届く
この記事は、自社の業務アプリ DataParade Core の事例の一部です。全体は 特設ページ にまとめています。
この記事が満たす要求: 「使いながら毎日直す」(特設ページ /00 の一覧)
業務アプリの作り方には、要件を固めてから作って納品する型があります。自社の業務アプリは、その型では作りませんでした。使いながら、毎日直しました。着手を決めてから4週間で、配った版は234になりました(2026年9月時点)。
なぜ毎日直す型にしたか、毎日直しても壊れないために何を決めたかを書きます。

要件は、使ってから分かる
案件ページの並びは、最初は基本情報が上でした。使ってみると、開くたびに金額を読んでから下へ送る、が続きました。打ち合わせの前に知りたいのは、前回どこまで話したか、です。「次にやること」を上にしたのは、使った翌日です。
ホーム画面は、何度か作り直しました。通知の鳴らし方は、設定の画面を占領していたので1枚に分けました。働き方の画面は、期間を選んでも刻みが変わらない作りを、使ってからやめました。
どれも、要件を書く段階では出てきません。使う人が実機で気づいて、その日のうちに直す。翌朝、TestFlightで手元に届き、また使う。この回し方でしか、要件は出てきませんでした。
毎日直すなら、毎日検査する
毎日直せば、毎日壊れる可能性があります。直したところが動いても、隣が壊れることがあります。人が覚えておくことはできません。
検査を3本立てにしました。コードの書き方を全部検査する静的チェックが138本。本番のAPIを叩くE2Eテストが291項目。台帳が守るべき決まりが30本。毎晩3時30分に全部流し、落ちれば朝いちばんの通知に出ます。配る前にも全部流します。
検査を足すときの決まりが1つあります。まず落ちるはずの状態を作って、落ちることを見る。直す前に落ちない検査は、直したあとも何も守りません。
直したら、学びを1つ記録する
直すたびに、学びを1行残します。何が起きて、なぜ起きて、次はどう防ぐか。そして、できるものは機械の検査にします。
シミュレータの操作が社長の数字に積まれた話は、2回起きました。1回目は学びを書いただけで、2回目に検査になりました。同じ穴を2回踏むのは、学びを人が覚えておく形にしていたからです。
学びの記録は、AIが次に直すときの材料にもなります。同じ場所を触るとき、以前の学びを先に読みます。人が覚えておかなくてよいのは、AIが読むからです。
画面のコードは、専用の関所で守る
組み立てが通っても、画面を開いた瞬間に落ちることがあります。画面のコードには、画面専用の検査を置きました。「操作が効かない」と言われたら、まず落ちていないかを疑います。
配る前には、シミュレータで全画面を2周開きます。落ちればその場で分かります。配ったあとに社長の手元で落ちるより、配る前に自分の手元で落ちる方が安く済みます。
溜めてから配る
毎日直しますが、配るのは毎日ではありません。TestFlightの版は、直しが溜まってから1つにまとめて作ります。1つ直すごとに配ると、1日に何度も更新の通知が来て、どれが何を直したかが分からなくなります。
直しは毎日、配るのは溜めてから、検査は毎晩。この3つの周期が違うことが、毎日直しても壊れない理由です。
まとめ
- 要件は使ってから分かる。実機で気づいた日のうちに直し、翌朝には手元に届く
- 毎日直すなら毎日検査する。3本立てを毎晩流し、検査は落ちる状態を先に作って当てる
- 直したら学びを1つ記録し、できるものは機械の検査にする
- 直しは毎日、配るのは溜めてから。周期を分ける
4週間で234版という数字は、毎日直した回数です。壊れなかったのは、毎晩検査した回数の方です。
自社の業務アプリの全体像は 特設ページ に。

