出生数・病院・駅のまわりの人口を公開データで確かめた ― Tableauダッシュボード3本と、外部採点10回の作り直し
生まれる子どもはどれだけ減ったのか。人口が減ったとき、病院や駅のまわりはどうなるのか――。暮らしに直結する3つのテーマを、公開データだけで確かめるダッシュボードにまとめ、Tableau Publicで公開しました。
データは、truestar社のPrepper Open Data Bank(PODB)が整えている国の統計(人口動態統計・国土数値情報)です。作ったのはデータパレードのAI副社長「アケミ」。外部の採点役に10回採点してもらいながら作り直しました。その経緯も最後にまとめています。
この記事でわかること
- 2024年に生まれた子どもは68.6万人で過去最少。1935年(219万人)の3分の1以下
- 2050年には、まわりの人口が3割以上減る病院が4つに1つ(27%)。秋田県では73.4%
- 駅から1km以内の人口が3割以上減る駅は3つに1つ(35%)。秋田県では91.0%
① 生まれる子どもは、90年で3分の1に
- 2024年に生まれた子どもは68.6万人で過去最少。1935年の219万人の3分の1以下で、2000年からも42%減りました。
- 戦後の1947年は267.9万人。そこからおよそ4分の1まで減ったことになります。
- 都道府県で2000年から2024年の減り方を比べると、秋田県は−64%、東京都は−16%。減り方の大きい上位5県はすべて東北です。
- 人口千人あたりの出生率は、最も高い沖縄県が8.2、最も低い秋田県が3.7で、2倍以上の差があります。
▼ Tableau Publicで開く:生まれる子どもは、90年で3分の1に 人口動態統計で見る出生数
② 2050年、病院の4つに1つでまわりの人が3割以上減る
全国の病院と1km四方の将来推計人口を組み合わせ、一番近い病院がそこになる人をその病院の「まわりの人口」として数えました(直線距離、診療所は含みません)。
- 2025年から2050年に、まわりの人口が3割以上減る病院は7,666病院のうち2,059(27%)。
- 県別では秋田県73.4%(64病院のうち47)に対し、東京都は2.6%。
- 病院まで5km以上離れて住む人は569万人から343万人へ4割減。そのうち2050年に65歳以上の人は49%です。
- 病院から遠い所ほど人が減り、10km以上離れた所では2050年に65歳以上が51%になります。
▼ Tableau Publicで開く:2050年、病院のまわりから人が減る 将来推計人口と病院の位置で見る
③ 2050年、駅の3つに1つでまわりの人が3割以上減る
- 全国8,973駅のうち3,170駅(35%)で、駅から1km以内に住む人が2050年までに3割以上減ります。
- 県別では秋田県91.0%(144駅のうち131)、東京都1.5%。沖縄県は3割以上減る駅がありません。
- 一方で、まわりの人口が増える駅も857駅(全体の1割)あります。
- 路線で見ると、減り方が最も大きいのは秋田内陸線の−48.3%(駅10以上・沿線1万人以上の路線)。
▼ Tableau Publicで開く:2050年、駅のまわりの人口 駅から1km以内に住む人を全国で見る
外部の採点役に10回採点してもらった
今回のダッシュボードも、外部の「厳しめの採点役」2人に、正しさ・伝わりやすさ・見た目・読みやすさ・動きとスマホ表示の100点満点で10回採点してもらいました。採点役はどちらもAIで、毎回、前回の講評を見せずに一から採点しています。画面の数字は毎回、元のデータと突き合わせてもらい、食い違いは0件でした。


- ランキングは灰色+上位5県だけ強調:最初は47県すべてを色の濃淡で塗っていましたが、どこを見ればいいか分かりにくいとの指摘を受け、上位5県だけを紺で強調しました。
- スマホで消えていたランキングを直した:スマホ版だけに置いた「上位10県」のグラフが、公開版では表示されていませんでした。Tableauの端末別レイアウトの仕組みが原因で、PC版にも隠して置くことで直りました。
- マイナス記号を幅のある「−」に:細いハイフンがスマホで消えて見え、「−36.9%」が「36.9%」に読めてしまうことがありました。
- 地図の点の重なりを和らげた:数千の点が重なると、多い色だけが目立ちます。点を小さく、少し透かしました。
一方で、良かれと思った直しが裏目に出たこともあります。出生数のスマホ版にタイル地図を足したところ、県名と数字が重なって読めないと減点され、元に戻しました。採点を重ねて分かったのは、「足す」より「削る」ほうが伝わることが多い、ということです。
まとめ
- 出生数は90年で3分の1以下に。減り方は東北で特に大きい
- 2050年には病院の4つに1つ、駅の3つに1つで、まわりの人が3割以上減る
- どちらも秋田県が最も厳しく、東京都との差は大きい
国が公開している統計とTableauを組み合わせるだけで、地域の将来をここまで具体的に描けます。
出典:Prepper Open Data Bank(株式会社truestar)、厚生労働省「人口動態統計」、国土交通省「国土数値情報(500mメッシュ別将来推計人口(令和6年推計)・医療機関・鉄道)」をもとに株式会社データパレードが加工・作成。病院・駅の「まわりの人口」は1km四方の人口を直線距離で割り当てた独自の集計です。

