日本の夏はどれだけ暑くなった?気象庁データ65年分をTableauで可視化してみた
「今年の夏も暑かった」——毎年のように聞くこのフレーズ、実際のデータで見るとどうなのでしょうか。
今回は気象庁が公開している観測データを使って、札幌・仙台・熊谷・東京・名古屋・大阪・福岡・那覇の主要8都市、1961〜2025年の65年分をTableauでダッシュボードにまとめ、Tableau Publicで公開しました。
▼ Tableau Publicで開く:Japan Heat 1961-2025|日本の暑さはどう変わった? 気象庁データで見る主要8都市
この記事でわかること
- 主要8都市の年平均気温は、1961〜1990年の平均と比べて直近10年で約+1.2〜2.1℃上昇している
- 猛暑日(最高気温35℃以上)は、熊谷で年7.2日 → 28.9日、名古屋で6.1日 → 24.7日と約4倍に
- 熱帯夜(最低気温25℃以上)は東京・大阪・福岡で年30〜57日に達し、北の仙台・札幌でも出現し始めている
使用したデータ
| 出典 | 気象庁「過去の気象データ検索」年ごとの値(気温の詳細) |
| 対象地点 | 札幌・仙台・熊谷・東京・名古屋・大阪・福岡・那覇 |
| 期間 | 1961〜2025年(2026年は年途中のため対象外) |
| 指標 | 年平均気温、猛暑日数(日最高35℃以上)、日最低気温25℃以上の日数 |
※ 本記事では「熱帯夜」を「日最低気温が25℃以上の日」として集計しています。気象庁の厳密な定義(夜間の最低気温25℃以上)とは若干異なります。
① 年平均気温:どの都市も「同じように」上がっている
ダッシュボード上段のグラフは、各都市の年平均気温を「1961〜1990年の平均との差(平年差)」で表したものです。
都市ごとの気温そのもの(札幌は約8℃、那覇は約22℃)を並べると差が大きすぎて変化が見えにくくなりますが、平年差にすると8本の線がほぼ一緒に右肩上がりになっていることが一目でわかります。
| 都市 | 1961〜1990年の平均 | 直近10年(2016〜2025年)との差 |
|---|---|---|
| 札幌 | 8.2℃ | +1.8℃ |
| 仙台 | 11.9℃ | +2.0℃ |
| 熊谷 | 14.2℃ | +2.1℃ |
| 東京 | 15.6℃ | +1.2℃ |
| 名古屋 | 15.1℃ | +2.0℃ |
| 大阪 | 16.2℃ | +1.5℃ |
| 福岡 | 16.3℃ | +1.9℃ |
| 那覇 | 22.4℃ | +1.4℃ |
特に2023年以降は多くの都市で平年差が+2.5℃を超え、グラフの右端が大きく跳ね上がっています。
データを見るときの注意点
東京は2014年12月に観測地点が大手町から北の丸公園に移転しており、それ以降の値がやや低めに出ている可能性があります。グラフで2015年以降の東京の線が他都市より低いのはこの影響と考えられます。データを読むときは、こうした「計測条件の変化」にも気を配ることが大切です。
② 猛暑日:ヒートマップで見ると「赤」が右に集中
中段のヒートマップは、都市×年ごとの猛暑日数を色の濃さで表しています。1990年代以降に色の濃いマスが増え、2010年代、そして2023〜2025年にかけて真っ赤なマスが集中しているのがわかります。
| 都市 | 1961〜1990年(年平均) | 2016〜2025年(年平均) | 最多の年 |
|---|---|---|---|
| 熊谷 | 7.2日 | 28.9日 | 2025年(53日) |
| 名古屋 | 6.1日 | 24.7日 | 2025年(52日) |
| 大阪 | 6.6日 | 25.1日 | 2025年(45日) |
| 福岡 | 3.0日 | 18.4日 | 2024年(39日) |
| 東京 | 1.6日 | 13.0日 | 2025年(29日) |
| 仙台 | 0.4日 | 3.7日 | 2025年(15日) |
かつては「年に数日」だった猛暑日が、いまや内陸・都市部では1か月分近くあるのが当たり前になっています。
ちなみに、平均気温がいちばん高い那覇の猛暑日は直近10年でも年1日程度。海に囲まれた沖縄は最高気温が35℃まで上がりにくく、「猛暑日の多さ」と「暑さの長さ」は別物だということもデータから読み取れます。
③ 熱帯夜:夜も涼しくならない日が倍増
下段右の表は、日最低気温が25℃以上の日数を年代別に平均したものです。
| 都市 | 1961〜1990年(年平均) | 2016〜2025年(年平均) |
|---|---|---|
| 東京 | 18.2日 | 33.0日 |
| 名古屋 | 8.2日 | 40.9日 |
| 大阪 | 28.4日 | 53.4日 |
| 福岡 | 22.7日 | 56.7日 |
| 那覇 | 83.5日 | 122.8日 |
名古屋は約5倍、大阪・福岡もほぼ倍増。さらに、かつてはほぼゼロだった仙台で年12日、札幌でも年2日ほど出現するようになりました。昼の暑さだけでなく、夜間の暑さが健康や睡眠に与える影響も見逃せません。
Tableauでの作り方のポイント
- 平年差(LOD計算)で比較しやすく
都市ごとの基準値を{FIXED [都市] : AVG(IF [年] <= 1990 THEN [年平均気温] END)}で求め、各年の気温から引くことで「どれだけ上がったか」をそろえて比較しています。 - ヒートマップで65年×8都市を一画面に
520個のデータポイントも、色の濃淡にすると傾向がひと目でつかめます。 - 年代別の集計表で数字も確認できるように
ビジュアルだけでなく、具体的な数値も読み取れるように「年代」の計算フィールドで集計表を添えました。 - 都市の並び順は北から南へ
並び順の列を用意してソートし、地理的な位置関係が直感的にわかるようにしています。
まとめ
- 主要8都市の年平均気温は、65年でおおむね+1.5〜2℃上昇
- 猛暑日は内陸・都市部で約4倍、熱帯夜も多くの都市で倍増
- 「最近暑い」という実感は、データでもはっきり裏付けられた
公開データとTableauを組み合わせるだけで、身近な疑問をここまで具体的に「見える化」できます。
出典:気象庁「過去の気象データ検索」のデータをもとに株式会社データパレードが加工・作成

